八碁連だより379号(5月号)
人生100年時代
浅川囲碁同好会 三宅 公誠
医療技術の目覚ましい進歩により人はますます長生きできるようになった。厚生労働省が発表した2022年の我が国の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳であり世界一の長寿である。近年の医療技術の進歩により我々は更に長生きするであろう。寿命の限界が120歳~150歳とも言われる長寿化時代を迎える我々にとって余生の過ごし方は大変重要なテーマである。
碁や将棋は頭のスポーツと言われ将棋は戦いのゲームで論理思考をつかさどる左脳が使われ、碁は石の構築法を競うゲームで空間認識をつかさどる右脳が主に使われると考えられてきた。所が近年、碁を打っている時には右脳に限らず脳の広い範囲が活性化していることが判明した。その理由は碁には基本的に三つの戦法があり、序盤は全体を見渡す空間認識能力、中盤は接近した石の戦いを読む推理能力、終盤は地合い(碁の勝敗)を見極める計算能力など異なった能力を必要とするため脳の広い部分の機能が活性化するものと考えられる。つまり碁は最高の脳トレ手段なのである。
今後ますます長くなるであろう余生を楽しくそして豊かに過ごすためには心身ともに健全でなくてはならない。幸いなことに囲碁同好会の我々は碁を楽しみながら脳トレで「ボケ防止」が約束されている。あとは適度な筋トレ運動で足腰を鍛えさえすれば来るべき「人生100年時代」が豊かで有意義なものとなるであろう。